ナンガのダウンシュラフには、名前がよく似た「オーロラ」と「オーロラライト」というシリーズが存在します。
何がどう違うのかイマイチわからない方も多いのではないでしょうか。
この記事では2つのシリーズの違いについて詳しく比較しながら解説して、後半ではどちらがおすすめかについてナンガ愛用者の僕の見解もお話しします。
ぜひシュラフ選びの参考にしてください!
なお「オーロラライトとUDD BAGのシリーズの違い」も書いているので、気になる方はそちらもチェックしてみてください。
ナンガのオーロラとオーロラライトの違いを比較
まず2つのシリーズの位置づけを簡単にいうと、「オーロラ」の上位シリーズが「オーロラライト」です。
- どちらも「オーロラテックス」の防水仕様
- モデルのラインナップ数が違う
- 生地の厚みが違う
- 重量が違う
- 収納サイズが違う
- ダウンの品質が違う(オリジナルモデル)
- 価格が違う
- カラーラインナップが違う
それぞれ詳しく見ていきましょう!
どちらも「オーロラテックス」の防水仕様
ナンガの「オーロラ」と名が付くシュラフは、「オーロラテックス」という防水加工を施したナイロン生地が採用されています。
多孔質ポリウレタン防水コーティング加工を施したナイロン生地。防水性を高めると蒸気透湿性が低下するという問題を高レベルで解決した素材。2レイヤ地で20,000mm・透湿性6,000g/m2/24hrs、という高レベルの防水透湿性能を持っています。
引用元:NANGA
オーロラとオーロラライトは、どちらのシリーズもこの「オーロラテックス」を採用しています。
シュラフ単体で高い防水性があるため、冬の結露が気になる時期でもシュラフカバーを必要としません。
ちなみに、ここがライバルのモンベル「ダウンハガーシリーズ」に対するナンガの強みでもあります!
モデルのラインナップ数が違う
両シリーズのラインナップの全体像を見てみましょう。
対応温度が同クラスのモデルを横並びにして表にしました。
オーロラシリーズ | オーロラライトシリーズ |
---|---|
比較対象モデルなし | オーロラライト900DX 冬用シュラフ 対応温度:-10℃/-19℃ 重量:1,400g 収納サイズ:φ21×41cm 価格:¥69,300(税込) |
オーロラ750 冬用シュラフ 対応温度:-6℃/-14℃ 重量:1,490g 収納サイズ:φ22×32cm 価格:¥44,000(税込) | オーロラライト750DX 冬用シュラフ 対応温度:-8℃/-16℃ 重量:1,280g 収納サイズ:φ19×31cm 価格:¥63,800(税込) |
比較対象モデルなし | オーロラライト600DX 冬用シュラフ 対応温度:-4℃/-11℃ 重量:1,100g 収納サイズ:φ17×31cm 価格:¥58,300(税込) |
オーロラ500 3シーズンシュラフ 対応温度:1℃/-4℃ 重量:1,185g 収納サイズ:φ21×28cm 価格:¥33,000(税込) | オーロラライト450DX 3シーズンシュラフ 対応温度:0℃/-5℃ 重量:865g 収納サイズ:φ14×30cm 価格:¥45,100(税込) |
オーロラ350 3シーズンシュラフ 対応温度:7℃/2℃ 重量:980g 収納サイズ:φ15×25cm 価格:¥29,700(税込) | オーロラライト350DX 3シーズンシュラフ 対応温度:5℃/0℃ 重量:730g 収納サイズ:φ13×25cm 価格:¥38,500(税込) |
ナンガのオリジナルモデルではオーロラライトの方がニーズに合わせて細やかなラインナップがされています。
ブランドとしてが最も力を入れているフラッグシップがオーロラライトシリーズだということがわかりますね。
生地の厚みが違う
オーロラとオーロラライトの違いとしては、まず生地の厚みが違います。
- オーロラ
:40dnナイロンタフタ - オーロラライト
:15dnナイロンタフタ
単位のdnは「デニール」と読み、この数字が大きいほど繊維が太いことを表し生地が厚くなります。
オーロラライトの生地はオーロラの半分以上の薄さがあるため軽量化を実現しています。
なお、裏を返すと生地が厚いほど丈夫ということでもありますが、オーロラライトでも耐久性への不安はほとんどありません。
万が一破けたりしても、ナンガは「永久保証」があるから安心です!
重量が違う
既に触れましたが、生地の厚みが違うため重量が違います。
同クラスのモデルを例に取って比較するとこんな感じ。
- オーロラ750
:1,490g - オーロラライト750DX
:1,280g
オーロラライトの方が200g以上(約15%)も軽量化されています。
登山や徒歩キャンプで使うなら重要な差になります!
ただオーロラでもダウンシュラフだけあって充分に軽い!
収納サイズが違う
生地の厚みの違いにより収納サイズも違います。
また同クラスのモデルを例に取って比較してみます。
- オーロラ750
:φ22×32cm - オーロラライト750DX
:φ19×31cm
φ(ファイ)は直径を表す単位です。
オーロラライトの方がよりコンパクトに収納できます。
これも登山や徒歩キャンプでは重要な差ですね!
ダウンの品質が違う(オリジナルモデル )
オーロラとオーロラライトは使われているダウンの品質が違います。
ダウンシュラフとして最も重要な違いとも言えるでしょう。
- オーロラ
:スパニッシュダックダウン80-20% (650FP) - オーロラライト
:DX スパニッシュダックダウン90-10% (760FP)
ちょっと意味がわからないと思うので詳しく説明します!
まず、どちらも高品質なヨーロッパ産「スパニッシュダックダウン」が使われていることに違いはありません。
違うのはダウンとフェザーの割合です。
オーロラの「80-20%」というのは「ダウン80%/フェザー20%」の割合で使われていることを表しています。
シュラフの暖かさにとってはダウンの割合が重要で、フェザーはカサ増しのためなので、ダウンの割合が多い方がシュラフとして高品質ということになります。
そのため、90-10%のDXダウンを採用したオーロラライトの方がより高品質なシュラフです。
また、末尾のFPとは「フィルパワー」のことでダウンの強度を表す数値で、この数値が高いほど高品質なダウンといえます。
そして、ナンガは「スパニッシュダックダウン90-10% (760FP)」のダウンを「DX」と呼んでいるため、オーロラライトシリーズの商品名は「450DX」などとDXが付いています。
せっかくナンガのダウンシュラフを買うならDXダウンのモデルがおすすめ!
価格が違う
オーロラライトはオーロラの上位モデルなので、当然ですが価格も違います。
また同クラスのモデルを例に取ってみましょう。
- オーロラ750
:¥44,000(税込) - オーロラライト750DX
:¥63,800(税込)
オーロラライトの方が上位モデルだけあって高いです!
カラーラインナップが違う
オーロラとオーロラライトでカラーラインナップも違います。
オーロラのカラーラインナップ
オリジナルモデルのカラー
オーロラシリーズは上記の4カラーのラインナップ。
3ten別注モデルのカラー
山渓別注モデルのカラー
オーロラには「3ten別注モデル」や「山渓別注モデル」といった別注モデルも存在します。
個人的にはオリジナルモデルよりもカラーがカッコよくて好みなうえに、これらの別注モデルはオーロラながらDXをダウンを採用していて価格も安いので、ナンガのシュラフをコスパで選ぶならこれらの別注モデルが超おすすめです。
オーロラライトのカラーラインナップ
オリジナルモデルのカラー
オーロラライトは上記の4カラーのラインナップ。
さかいや別注モデルのカラー
オーロラライトには「さかいや別注モデル」も存在します。
僕はこのモデルの「ゴールド×ネイビー」のカラーを愛用していて、本当にカッコよくて超お気に入りです。
さかいや別注モデルは上位モデルのオーロラライトなうえに、オリジナルモデルよりかなり安く買えるので非常におすすめです。
(3tenや山渓の別注モデルよりは若干高い。)
- 生地の厚さが20dnから15dnへ変更され軽量化
- チタンスパッタリング材採用で蓄熱・保温効果UP(600DX以上のモデルのみ)
改良前のモデルでも充分におすすめです!
【まとめ】ナンガのオーロラとオーロラライトはどっちがおすすめ?
結論として、どっちがおすすめかをまとめるとこんな感じです。
ナンガのオリジナルモデルで比べた場合は、オーロラはDXダウンじゃないためオーロラライトの方が絶対におすすめです。
ただし「3ten別注モデル」や「山渓別注モデル」はオーロラでありながらDXダウンを採用しているため、コスパも高くて非常におすすめです。
大半の人はこの辺りの別注モデルが性能と価格差のバランスから最も満足できると思います!
対して、登山や徒歩キャンプをする人は、より軽量コンパクトなオーロラライトシリーズの方がおすすめです。
また僕も愛用している「さかいや別注モデル」はオーロラライトでありながらコスパも高いので、誰にでも超おすすめできるモデルです。
「3ten別注モデル」や「山渓別注モデル」に比べると少しだけ高いですが、少しの価格差でオーロラライトになるのは嬉しいですね。
3tenや山渓の別注モデルとさかいやの別注モデルで悩む場合は、もはやデザインの好みで選んでしまって問題ないです。
なお、オールシーズンで使う前提でおすすめなのは男性なら「450DX」で女性なら「600DX」ですが、この選び方は以下の記事も参考にしてみてください。