ナンガのダウンシュラフのハイエンドモデルには、「オーロラライト」と「UDD BAG」というシリーズが存在します。
この違いは地味にわかりにくくて、どっちを選べば良いのか迷う人も少なくないはず。
この記事では2つのシリーズの違いについて詳しく比較して解説していきます。
後半ではどちらがおすすめかも紹介しますよ!
ちなみに「オーロラとオーロラライトのシリーズの違い」も別で書いているので、気になる方はそちらもチェックしてみてください。
ナンガのオーロラライトとUDD BAGの違いを比較
防水に対するアプローチが違う
ダウンが濡れると保温性能が落ちてしまい、最悪の場合は傷んでダメになってしまいます。
そのため雨や結露といった水分は大敵なので、状況によっては「シュラフカバー」を付けて防水対策が必要になります。
そんななか、オーロラライトとUDDは共に水濡れに対して強いというメリットを持つシュラフです。
基本的にシュラフカバーを別で用意する必要なくガシガシ使えます。
ただし、防水に対するアプローチが大きく異なります。
ここが両シリーズ最大の違いで、どちらを選ぶかの重要なポイントになります。
それぞれの防水のアプローチを説明します!
オーロラライトは生地が防水加工
ナンガの「オーロラ」と名が付くシュラフは、「オーロラテックス」という防水加工を施したナイロン生地が採用されています。
多孔質ポリウレタン防水コーティング加工を施したナイロン生地。防水性を高めると蒸気透湿性が低下するという問題を高レベルで解決した素材。2レイヤ地で20,000mm・透湿性6,000g/m2/24hrs、という高レベルの防水透湿性能を持っています。
引用元:NANGA
つまり生地の段階で水をシャットアウトして、シュラフの内部に水を侵入させずダウンを水濡れから守ります。
一般的に防水の生地は透湿性が低くて蒸れやすいというデメリットが生じます。
しかし、ナンガのオーロラテックスは高い技術によって透湿性にも優れた素材となっているのが特徴です。
UDD BAGはダウンに撥水加工
対して、UDD BAGは羽毛に超撥水加工が施されています。
DXの羽毛に超撥水加工を施した高品質で高機能なダウンで、フィルパワーは770FP。羽毛と撥水剤の樹脂を分子レベルで結合し、細かな粒子の壁を作ることで水の侵入を防ぐ。「湿気を通すが、水を吸わない」最適なダウンです。
引用元:NANGA
水に濡れちゃダメならダウンそのものに撥水性を持たせてしまえ!
こういう発想ですね。
ちなみにUDDとは「Ultra Dry Down」の略で、この超撥水ダウンのことを指しています。
理解を深めるために、ナンガのダウンの種類の紹介をします。(一部のみ)
- DX(オーロラライトに採用)
-
スパニッシュダックダウン90-10% (760FP)
- UDD(UDD BAGに採用)
-
スパニッシュダックダウン90-10% (770FP) 超撥水加工
こんな感じで、「DX」というクラスのダウンに撥水加工を施したのが「UDD」です。
撥水加工によってFP(フィルパワー)も10だけ高くなっていますが、これは誤差の範囲内。
フィルパワーっていうのはダウンの膨張力のことです!この数値が高いほどダウンがすぐに膨らんで暖かくなります!
防水加工と撥水加工はどっちが良いの?
では、結局のところ、
- オーロラライトの「生地の防水加工」
- UDD BAGの「ダウンの撥水加工」
これはどちらが優れているのでしょうか?
基本的に水濡れへの耐性としては「防水>撥水」なので、オーロラライトの方が優れていると言えます。
ただし、それぞれにメリット・デメリットがあるので確認しておきましょう。
オーロラライト 生地の防水加工 | UDD BAG ダウンの撥水加工 | |
---|---|---|
メリット | ・水濡れへの耐性が高い ・シュラフカバーはほぼ不要 | ・透湿性に優れる ・生地がしなやか |
デメリット | ・透湿性はUDDに劣る ・生地が少しゴワつく | ・撥水は防水に劣る ・シュラフカバーが欲しい場合も |
こんな感じです。
やはり、防水性能がより優れてシュラフカバー要らずのオーロラライトの方が使い勝手が良いでしょう。
デメリットの透湿性や生地のゴワつきというのもUDDに比べたらという話です。
実際に僕はオーロラライト450DXを使っていますが、全く気にならず快適に使えていますよ!
各シリーズのラインナップについて
もう少し違いを確認するために、各シリーズのラインナップを表にしました。
対応温度がだいたい同じクラスのモデルを横並びにしています。
オーロラライトシリーズ | UDD BAGシリーズ |
---|---|
オーロラライト900DX 冬用シュラフ 対応温度:-10℃/-19℃ 重量:1,400g 収納サイズ:φ21×41cm 価格:¥69,300(税込) | UDD BAG 1000DX(廃番) 冬用シュラフ 対応温度:-9℃/-16℃ 重量:1,450g 収納サイズ:φ21×41cm 価格:¥77,000(税込) |
オーロラライト750DX 冬用シュラフ 対応温度:-8℃/-16℃ 重量:1,280g 収納サイズ:φ19×31cm 価格:¥63,800(税込) | UDD BAG 810DX 冬用シュラフ 対応温度:-7℃/-13℃ 重量:1,260g 収納サイズ:φ19×31cm 価格:¥66,000(税込) |
オーロラライト600DX 冬用シュラフ 対応温度:-4℃/-11℃ 重量:1,100g 収納サイズ:φ17×31cm 価格:¥58,300(税込) | UDD BAG 630DX 冬用シュラフ 対応温度:-5℃/-10℃ 重量:1,045g 収納サイズ:φ17×31cm 価格:¥57,200(税込) |
オーロラライト450DX 3シーズンシュラフ 対応温度:0℃/-5℃ 重量:865g 収納サイズ:φ14×30cm 価格:¥45,100(税込) | UDD BAG 450DX 3シーズンシュラフ 対応温度:1℃/-4℃ 重量:825g 収納サイズ:φ14×30cm 価格:¥46,200(税込) |
オーロラライト350DX 3シーズンシュラフ 対応温度:5℃/0℃ 重量:730g 収納サイズ:φ13×25cm 価格:¥38,500(税込) | UDD BAG 380DX 3シーズンシュラフ 対応温度:3℃/-2℃ 重量:680g 収納サイズ:φ13×25cm 価格:¥39,050(税込) |
比較対象モデルなし | UDD BAG 280DX(廃番) 夏用シュラフ 対応温度:8℃/4℃ 重量:550g 収納サイズ:φ13×20cm 価格:¥34,100(税込) |
比較対象モデルなし | UDD BAG 180DX(廃番) 夏用シュラフ 対応温度:11℃/7℃ 重量:450g 収納サイズ:φ12×20cm 価格:¥29,700(税込) |
どちらも豊富なラインナップがありますね。
同クラスで比べると重量や収納サイズなどもほとんど同じです。
夏用シュラフがあるのはUDDだけでしたが廃番になったようです!
UDD BAGの方がやや高い
同クラスのモデルで比べるとUDDの方が少しだけ高いです。
ダウンの撥水加工というのそれだけ難しい技術なのだろうと推測できます。
ただし「オーロラライト600DX」と「UDD BAG 630DX」の比較だけ、なぜか価格に逆転現象が起きています。
カラーラインナップが違う
オーロラライトとUDD BAGでカラーラインナップも違います。
まずはUDD BAGから見てみましょう。
UDD BAGのカラーラインナップ
UDD BAGシリーズは上記の3カラーのラインナップ。
オーロラライトのカラーラインナップ
オリジナルモデルのカラー
ナンガのオリジナルモデルのオーロラライトは上記の4カラーのラインナップ。
さかいや別注モデルのカラー
オーロラライトには「さかいや別注モデル」も存在します。
僕はこのモデルの「ゴールド×ネイビー」のカラーを愛用していて、本当にカッコよくて超お気に入り。
さかいや別注モデルはオリジナルモデルよりかなり安く買えるので非常におすすめです。
(後述の3tenや山渓の別注モデルよりは若干高い。)
- 生地の厚さが20dnから15dnへ変更され軽量化
- チタンスパッタリング材採用で蓄熱・保温効果UP(600DX以上のモデルのみ)
改良前のモデルでも充分におすすめです!
3ten別注モデルのカラー
山渓別注モデルのカラー
厳密にはオーロラライトではなくオーロラというモデルになりますが、「3ten別注モデル」や「山渓別注モデル」といった別注モデルも存在します。
こちらもカラーがカッコいいうえに、これらの別注モデルはオーロラながらDXをダウンを採用していて価格も安いので、ナンガのシュラフをコスパで選ぶならこれらの別注モデルが超おすすめです。
以上がオーロラライトとUDD BAGの違いです!
ナンガのオーロラライトとUDD BAGはどっちがおすすめ?
比較の中でほぼ僕の答えを言ってしまいましたが、結論として、購入するなら絶対にオーロラライトがおすすめです。
- オーロラテックスによる高い防水性
- シュラフカバーが完全に不要な利便性
- カラーや別注モデルが豊富
大きな理由としてはこんなところですね!
実際にナンガで圧倒的に一番売れているシリーズです!
ちなみに、オールシーズンでキャンプをする場合は、おすすめのモデルは「オーロラライト450DX」か「オーロラライト600DX」です。
450DXと600DXのどちらを選ぶかは下記の記事も参考にしてみてください。
まとめ
ナンガのシュラフの「オーロラライト」と「UDD BAG」のシリーズの違いについて詳しく解説しました。
どちらもナンガのハイエンドシリーズで、水濡れへの耐性に優れた特徴があります。
- オーロラライト
オーロラテックスによる生地への防水加工 - UDD BAG
ダウンへの撥水加工
このように水濡れ対策へのアプローチが違って、より防水性能が高いオーロラライトがおすすめです。
思い切ってナンガのシュラフを購入するなら、絶大な人気を誇るオーロラライトを選べば間違いありませんよ。
僕も3年以上オーロラライト450DXを愛用していて大満足です!