ダウンシュラフ選びでほぼ間違いなくぶち当たる壁が、「ナンガとモンベルどっちにするか問題」です。
どちらも評判で人気の高いブランドなので実際に僕もすごく迷いました。
「ナンガ」「モンベル」「イスカ」といえば日本の3大シュラフメーカーですよね。
この中でイスカは優等生だけどこれといった特徴がなく、ナンガ・モンベルに比べると選ぶ理由が薄い印象があります。
そのため、ナンガかモンベルのどちらかで迷っている人がかなり多いはず。
もちろんどちらの寝袋も世界的に評価が高くて、どっちを選んでも間違いないブランドといえます。
ですが、あえて言いたい僕の結論はこうです。
- ダウンシュラフはモンベルよりもナンガがおすすめ
- 特にナンガの「オーロラ」や「オーロラライトシリーズ」が最高
- コスパならモンベルの「バロウバッグシリーズ」もあり(化繊シュラフ)
ナンガとモンベルのシュラフを徹底的に比較して、僕がこう結論づけた理由を紹介していきます。
僕は実際にナンガのダウンシュラフを愛用しています!
ナンガとモンベルのダウンシュラフの人気シリーズを比較
まず、ナンガとモンベルのダウンシュラフの違いを比較するにあたって、どちらのブランドも複数シリーズをラインナップしているので全てを一元的に比較するのは難しいです。
そのため、スペック・価格ともに似ている以下のシリーズを基準として比較していきます。
- ナンガ
:オーロラライトシリーズ - モンベル
:シームレスダウンハガー800シリーズ
どちらも各ブランドで人気のシリーズです!
まずは理解を深めるために、上記2シリーズの商品ラインナップと各スペックの比較表を作りました。
各ブランドでライバルとなるスペックのモデルを横並びにしています。
ナンガ オーロラライトシリーズ ※ダウン:760FP | モンベル シームレスダウンハガー800シリーズ ※ダウン:800FP |
---|---|
オーロラライト900DX 冬用シュラフ 対応温度:-10℃/-19℃ 重量:1,400g 収納サイズ:φ21×41cm 価格:¥69,300(税込) | シームレスダウンハガー800 EXP. 冬用シュラフ 対応温度:-12℃/-20℃ 重量:1,364g 収納サイズ:φ20×40cm 価格:¥72,600(税込) |
オーロラライト750DX 冬用シュラフ 対応温度:-8℃/-16℃ 重量:1,280g 収納サイズ:φ19×31cm 価格:¥63,800(税込) | シームレスダウンハガー800 #0 冬用シュラフ 対応温度:-6℃/-13℃ 重量:1,027g 収納サイズ:φ18×36cm 価格:¥55,000(税込) |
オーロラライト600DX 冬用シュラフ 対応温度:-4℃/-11℃ 重量:1,100g 収納サイズ:φ17×31cm 価格:¥58,300(税込) | シームレスダウンハガー800 #1 冬用シュラフ 対応温度:-3℃/-10℃ 重量:893g 収納サイズ:φ16×32cm 価格:¥49,500(税込) |
オーロラライト450DX 3シーズンシュラフ 対応温度:0℃/-5℃ 重量:865g 収納サイズ:φ14×30cm 価格:¥45,100(税込) | シームレスダウンハガー800 #2 3シーズンシュラフ 対応温度:0℃/-5℃ 重量:703g 収納サイズ:φ15×30cm 価格:¥41,800(税込) |
オーロラライト350DX 3シーズンシュラフ 対応温度:5℃/0℃ 重量:730g 収納サイズ:φ13×25cm 価格:¥38,500(税込) | シームレスダウンハガー800 #3 3シーズンシュラフ 対応温度:4℃/-1℃ 重量:555g 収納サイズ:φ13×26cm 価格:¥33,000(税込) |
比較対象モデルなし | シームレスダウンハガー800 #5 夏用シュラフ 対応温度:8℃/3℃ 重量:462g 収納サイズ:φ12×24cm 価格:¥28,600(税込) |
比較対象モデルなし | シームレスダウンハガー800 #7 夏用シュラフ 対応温度:11℃/7℃ 重量:412g 収納サイズ:φ12×24cm 価格:¥26,400(税込) |
ラインナップ的にもライバルシリーズなのがわかりますね!
このスペック比較表からは読み取れない部分も含めて、ナンガとモンベル各ブランドのダウンシュラフの違いや特徴を説明していきます。
ナンガのダウンシュラフの特徴
ナンガのダウンシュラフの特徴は以下の3つです。
- 永久保証がある
- オーロラテックスによる高い防水性
- カラーが選べる
永久保証がある
ナンガのシュラフには、なんと「永久保証」があります。
購入後は期間を限定せずに修理してもらえる最高のアフターケアです。
シュラフはアウトドアで使う物なので、不意になにかに引っかけて破れたりしてしまうリスクもゼロではありません。
万が一そんなことがあっても永久保証のあるナンガなら安心して使うことができます。
高価なダウンシュラフなので、なおらさ永久保証があるのは大きな魅力といえますね。
オーロラテックスによる高い防水性
ナンガの「オーロラ」と名が付くシリーズの生地は、「オーロラテックス」による高い防水性があります。
ダウンは水に濡れると保温性能が落ちてしまい最悪の場合ダメになってしまうので、雨や結露といった水分が大敵です。
そのため一般的なシュラフの場合は、状況によっては別途「シュラフカバー」を付けて防水対策が必要になります。
それに対してナンガのダウンシュラフは元から防水性が備わっているので、水濡れを心配すことなく超快適にキャンプを楽しめます。
ちなみにモンベルの「シームレスダウンハガー800シリーズ」にも撥水加工がされていますが、オーロラテックスの優れた防水性能には及びません。
また、ナンガには同じく防水性に優れた「UDD BAG」というシリーズもありますが、より防水力に優れたオーロラライトシリーズが一番おすすめです。
カラーが選べる
ナンガのオリジナルモデル
ナンガのシュラフは1つのモデルに対して複数のカラーを選べます。
上記はナンガのオリジナルモデルの「オーロラライトシリーズ」のカラーラインナップです。
さらに、ナンガのシュラフは色んなブランドとコラボした別注モデルも多数販売されています。
さかいや別注モデルのカラー
3ten別注モデルのカラー
山渓別注モデルのカラー
このように別注モデルはオリジナルよりもおしゃれなカラーが多く、キャンプギアはカラーにもこだわる人が多いので非常に嬉しいポイントですね。
モンベルのダウンシュラフの特徴
続いて、モンベルのダウンシュラフの特徴は以下の4つです。
- 生地に伸縮性があって動きやすい
- シームレス構造という新たな試み
- ナンガより少し軽量
- カラーは1モデルにつき1色が基本
生地に伸縮性があって動きやすい
モンベルのシュラフの最大の特徴は、特許取得済みの「スーパースパイラルストレッチシステム」が採用されていること。
生地に伸縮性がありシュラフの中でも快適に身動きが取れます。
その伸びっぷりは「シュラフの中であぐらをかける」という謳い文句だから驚きです。
寝相が悪い人には嬉しい特徴ですね。
シームレス構造という新たな試み
モンベルのダウンハガーは長年愛されてきたダウンシュラフの名品ですが、2021年の春に「シームレスダウンハガー」としてリニューアルを果たしました。
その名の通り、生地に縫い目がほとんどないシームレス構造になったことによりメリットが生まれました。
- ダウンの隔壁排除により広い気室を確保できて暖かい
- 縫い目からの冷気の侵入を軽減
- 特殊な糸がシュラフ全体にダウンを均一に保持
これもモンベルは特許出願中で業界でも注目されている技術です。
なお、シームレス構造で暖かくなったという謳い文句ですが、同モデルのリニューアル前後でスペック上の対応温度はほぼ変わっていません。
ナンガより少し軽量
先ほどのスペック比較表を見ればわかりますが、ナンガの同スペック商品と比べるとモンベルの方が若干軽量です。
パッキングがシビアな徒歩キャンプだと、この若干の違いが重要になる場合もあるかもしれません。
ただしナンガも充分に軽量なダウンシュラフなので、そこまで大きなメリットではないでしょう。
カラーは1モデルにつき1色が基本
モンベルのシュラフは基本的に1モデルにつき1カラーです。
稀に2カラーある場合もありますが、基本的には決まったカラーしか選べません。
しかもお世辞にも「カッコいい」とか「おしゃれ」とは言えないカラーで、なんというかモンベルらしいカラーです。(個人的な好みもありますが…)
道具はカラーにもこだわりたい人は、このカラーだけで敬遠してしまうこともあるのではないでしょうか。
【補足】価格が安いというメリットは弱まった
なお、モンベルのダウンハガーシリーズは、以前はナンガと比べて「価格が安い」というメリットもありました。
しかしシームレス構造へのリニューアルに伴って値上がりして、価格差はメリットと呼べるほどではなくなりました。
一番売れ筋の「ダウンハガー800 #2」のクラスで比べるとこんな感じです。
モデル名 | 参考価格 |
---|---|
ナンガ オーロラライト450DX | ¥45,100(税込) |
モンベル シームレスダウンハガー800 #2 | ¥41,800(税込) |
モンベル ダウンハガー800 #2 | ¥35,200(税込) ※廃番 |
価格差は誤差の範囲内になった印象ですね。
シームレス構造の実力のほどはわかりませんが、スペック上の対応温度が変わったわけではないので、「安い」という明確な武器がなくなったのは痛いのでは?と個人的に感じるところです。
ナンガとモンベルの特徴がわかったところで、どっちがおすすめなのか結論です!
【結論】ダウンシュラフはモンベルよりもナンガがおすすめ
ナンガの「オーロラライトシリーズ」が最高
以上の両ブランドの特徴を踏まえて、総合的に考えてダウンシュラフは絶対にナンガをおすすめします。
まず、「防水性が高い」というのがシュラフの実用においては圧倒的なアドバンテージです。
シュラフが水に濡れるのをいちいち気にせずキャンプができると本当に快適になります。
ちなみにモンベルでも上位モデルの「ドライシームレスダウンハガー900シリーズ」ならGORE-TEXを採用しています。
これなら優れた防水性がありますが、価格も2万円近く跳ね上がります。
ナンガの「オーロラ」や「オーロラライト」シリーズは、防水シュラフとしてコスパの面でも非常に優れているということですね。
あとは、やっぱり「永久保証」というのが最高です。
ダウンシュラフは高い買い物なうえにアウトドアでガシガシ使う道具なので、永久保証があるナンガは超安心です。
モンベルの「伸縮性」は僕も魅力に感じましたが、実際にナンガを使ってみて窮屈に感じたことは全くないので、ここは重視しなくて良かったと思います。
ナンガの中でもおすすめモデルを紹介しますよ!
バランスの優れた「450DX」が超おすすめ
450DXは価格と性能のバランスに優れていて、僕もこれを3年以上愛用しています。
スペック的には3シーズンモデルですが、他の防寒対策もしっかりすれば冬キャンプでも使えるポテンシャルがあります。
冬キャンプを重視したり女性の場合は「600DX」もおすすめ
ただし、女性の場合や冬キャンプでの快適性を最重視する場合は600DXもおすすめです。
この辺りは「450DXと600DXはどっちがおすすめ?」の記事もぜひ参考にしてみてください。
コスパならモンベルの「バロウバッグシリーズ」という選択肢もあり
ここまでダウンシュラフを前提に話をしましたが、
ナンガにしろモンベルにしろダウンシュラフはやっぱり高い!
そんな場合は、モンベルの化繊シュラフ「バロウバッグシリーズ」もおすすめです。
化学繊維であるバロウバッグはオーロラライトやダウンハガーの半額以下で購入できて、コスパで考えると素晴らしいです。
- 収納サイズが大きい
- 重い
こういったデメリットを許容できるなら化繊シュラフも決して悪くありません。
化繊シュラフを選ぶならモンベルの「バロウバッグシリーズ」が間違いない選択肢になります。
ちなみにナンガには化繊シュラフがありません!
3シーズンの「バロウバッグ #2」か、冬キャンプでも使いやすい「バロウバッグ #1」辺りがおすすめですね。
まとめ
ダウンシュラフはナンガとモンベルどっちを選ぶべきか?
そんな永遠のテーマともいえるシュラフ選びの悩みについて、僕の経験から結論をお伝えしました。
- ダウンシュラフはモンベルよりもナンガがおすすめ
- 特にナンガの「オーロラ」か「オーロラライトシリーズ」が最高
- 理由:防水性があって永久保証まであるから
- バランスの優れた「オーラライト450DX」が超おすすめ
- 冬キャンプ重視なら「オーロラライト600DX」もおすすめ
- コスパならモンベルの「バロウバッグシリーズ」もあり(化繊シュラフ)
キャンプにおいて防寒は「命」にも関わる問題なので、シュラフは最もお金をかけるべきキャンプ道具です。
適当な安物を選ばずに、信頼できるメーカーのシュラフを選びましょう。
ナンガとモンベルはどちらも間違いないメーカーですが、特にナンガの「オーロラライトシリーズ」が最高ですよ。
最高のシュラフで最高のキャンプを楽しみましょう!
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